「……うるせぇから来ただけだ」

そう付け足した。

これじゃ俺がこの女を心配してる風になるじゃねーか。

「……で、なんで泣いてんだよ」

「あ……私は、大丈夫ですっ」

「作り笑いすんな。言え」

「う……い、痛くて……」

自分のお腹を押さえる女。

「痛い?」

「少し寝とけば、治まりますから……」

……なんで、んな無理すんだよ。

普通、騙すとなれば俺を頼ったりすんだろ。

……あー、イラつく。

俺は女を横抱きにして、持ち上げた。