「……ふぇ、……ひっく……」

微かに、あの女の泣く声が聞こえた。

俺は吸血鬼だから普通の人よりも五感が優れてるため、聞こえてきた。

性格上、あんまり弱ってる奴を放っとけないため部屋を出て隣の部屋のドアを開けた。

「っ……うぅ……」

部屋の隅っこで、泣いてる女。

俺はそっとドアを閉めて、女の目の前にしゃがみこんだ。

「……おい、なんかあったのか」

「へっ……?」

ようやく気づいたのか、俺を見上げた女。

「有馬、くん……?どうして……」

「部屋にいたら聞こえてきた」

……あ。