*千桜said*

それから月日は経ち……。

今日、私たちの卒業式がやってきた。

「3年、2組。有馬京夜」

「はい」

ひとりひとり体育館のステージに立って、叔父様から卒業証書をもらう。

京夜くん……。

初めて会った時は、冷たかったな。

それがこんなにもあったかい人だったなんて。

京夜くんは振り向いて階段を降りると、私を見た。

……のは一瞬で、すぐに席に戻ってしまう。

「神崎一茶」

「はい」

一茶くん、最初から優しかったな。