慌てて見上げると、

「っ……有馬くん!?」

背中に黒い羽が生えてる、有馬くんがいた。

え、私、お姫様抱っこされて……え、そ、空飛んじゃってる!?

すごいスピードでどこかに向かってる。

「あの、有馬く、」

「お前、バカか!死にてぇのかよ!?」

と、すごい剣幕で怒られた。

「……へ?」

「バカだろ!見りゃわかんだろ!赤信号で車道立ったらひかれるって」

「だ、だって、子猫ちゃんが……!」

「あ?子猫?」

その時初めて、有馬くんが私の腕の中にいる子猫に気づいた。