でも、くっつきたいぃ……。

「はぁ……」

出窓に座って、月を見ながらため息をつく。

……好き。

前まで見てた月はひとりで見るものだった。

だけど今は、京夜くんとふたりで見てから寝るものになってる。

……胸が苦しい。

そう思ったとき。

──ガチャっ。

突然ドアが開いてそっちを見ると、少し不機嫌な京夜くんがいた。

扉を閉めて、私の所に来た京夜くん。

「千桜、なんで来ないんだよ」

「だ、だって……」

「尚の言ったことか?」