小さい頃から、ずっと優しくて。

その時、ふとお腹が痛んだ。

「いっ……」

「どないした!?千桜」

「あ、ご、ごめんなさいっ!間違って舌を噛んでしまって……」

……たぶん、痣のせいかな。

あれだけ蹴られてきたお腹だもん。

お父さんにも……お母さんにも。

この時、私は気づいていなかった。


有馬くんが、私のすべてを悟ってることを。