たくさんの薔薇を見て言った千桜。

「あててみて。数えていいよ」

「よしっ、1、2、3、4……」

1本1本ずらして取ってく千桜。

千桜は、わからないだろう。

この本数の意味を。

「28……2…9……さん…………」

やがてうとうとし始めた千桜。

「寝るか?」

「や、やだっ、数える!」

羊を数えたら寝るって、あってるのかもな。

そんな千桜を愛おしく見ていると、ついに耐えきれなくなった千桜は眠ってしまった。

「ま……いずれわかるよ」

そっとベッドに寝かせ、耳元に唇を寄せた。