天使級美少女、ただいま吸血鬼様に猛烈アタック中

「あのっ、私、持ちます」

「あかん!女には優しくせんと」

ニッと笑う結城くん。

優しい……。

「この家の人……みんな、優しいです」

「ほんまか?」

「はいっ!有馬くんも助けてくれて、神崎くんも三島くんも優しくてっ」

螺旋階段を登りながら話す。

「せやなぁ。京は根はええ奴やから、嫌いにならんといて」

「はいっ」

「千桜はええ子やなぁ。あ、尚の言ったことなら気にせんでええかんな?千桜はええ子やから、捨てられたりせぇへんよ」

その言葉に、私は愛想笑いを浮かべた。

2階に上がり、左右に廊下があり右に向かった結城くん。