千桜を立たせて、歩かせた。

少し不服そうな顔をする千桜。

そんな姿に胸が高鳴りながらも、

「アイツらの手伝いすんなよ」

と忠告した。

「う……は、はい」

「じゃあまたあとで」

「うん!」

千桜は笑顔で部屋を出ていった。

……さてと。

部屋の本棚にある、吸血鬼の書を取り出した。

呪いが解けたら、確か身体が光るはず。

なのに俺は、光らなかった。

この本には吸血鬼のことが書かれていて、代々伝わってる本。