こういう時だけ鋭いな……。

「……そりゃ焦るだろ?吸血鬼なんて、一度血を飲んだらその血を欲しくなるんだから」

ドサッとベッドに座った。

俺が言えるのは、これだけだな。

「でも、治してくれてありがとうっ。京夜くん魔法使いだね!」

笑顔で俺にそう言った。

「……吸血鬼だけどな」

「あ……」

ったく……。

……でも今は、この天然さがちょうどいい。

「じゃあ、夜俺の部屋に来いよ。大事な話があるからさ」

「え、今じゃダメなんですか……?」

「ダメ。はい、帰った帰った」