天使級美少女、ただいま吸血鬼様に猛烈アタック中

お部屋に入ると、私の部屋よりも大きな出窓があった。

「俺、ここに座って月見るのがクセなんだ」

「私もっ」

ふたりで出窓に座って、月を眺めた。

綺麗だなぁ……。

「そういえば京夜くん、吸血鬼なのに血は吸わなくていいの?」

「あー……うん。いい」

「吸わなかったら、死ぬんじゃ……?」

「……いいんだよ、死んでも」

そう言う京夜くんは、完全に諦めたような顔つきで。

私はぎゅっと京夜くんの手を握った。

「千桜……?」

「諦めちゃ……だめ、ですっ」