こ、転ぶっ……!

目をぎゅっとつぶった。

──トンっ。

……あ、れ……痛く、ない?

そっと目を開けると、目の前は真っ暗で。

不思議に思って顔を上げると。

「チッ……転ぶな。邪魔くせぇ」

そう冷たく言い放つ、男の人がいた。

わ、私……っ、抱き止められてる!?

「あ、あああの!ごめんなさいっ!」

慌てて離れ、頭を下げた。

なんなのこの家の人たち……かっこいい人しかいない。

「京、まだご飯できないから部屋にいてよかったのに」