「今日、付き合ってくれてありがとう」




きっと、星原くんと見たこの空を忘れない。


一緒に食べたラーメンの濃さも、思いのほか下手くそだったUFOキャッチャーも、全部わたしにとって大切な思い出。

誰ともしたことがなかったことを星原くんが一緒にしてくれた。




クソみたいな世界で、馬鹿ばっかりの箱の中で俯いてされるがままの私を連れ出してくれたあの瞬間が、わたしにとって特別だった。


お礼を言うのはわたしの方だ。




「……わたしも。ありがとう」

「うん、いーよ」



明日からはまた、不満ばかりが募る世界お互いを取り巻く環境に順応して生きていくのだ。





「……星原くん」



ならばひとつだけ、今日が終わる前に確認しておきたいことがあった。






「わたしと星原くんって、……友達、なのかな」