このせかいに在るがまま







見上げた先、満天の星空が広がっている。

人工的な明かりが無い影響なのか、星のきらめきが今まで見たなかで一番鮮明に見えた。



今日は当たりだと言っていた意味がよくわかった。雲がひとつもない夜空に、ずっと胸が高鳴っている。




「……星原」



そう言ったのは私ではない。「え?」と呟けば、星原くんが言葉を続けた。




「星が多く出てる空のこと、“星原”っていうんだって。草原とか高原みたいな、それと同じ感じ」

「…しらなかった」




星原。すごく素敵な言葉だ。意味を聞いて、余計 同じ漢字を名前に持つ星原くんに似合っているなと思った。




「星原くん、名前 良く似合うよね」

「え?」

「星原天晴ってさ、星原くんにしか似合わない名前な気がする」




星原 天晴。

イケメンは名前もかっこよくて、人気者で、この世界をうまく渡って行ける材料をたくさん持っている。



星原くんのことをよく知らないままそう思っていた昨日までより、彼とたくさんことばを交わした今の方が、強くそう思えている。