その後、星原くんがやりたいと言っていたUFOキャッチャーをやりに、駅前のゲームセンターに行った。
結論から言うと、星原くんはUFOキャッチャーが下手だった。人生で3度来たことがあるかないかのわたしの方がまだうまいんじゃないかと思うほど。
勝手に、星原くんみたいなモテる人間は皆あたりまえにこの類のゲームは上手いものだと思ってた部分があったので、「下手の横好きってさ、おれのこと言うのかな」と言って苦笑いをする星原くんを見て、せかいへの不満を口にしたときに並ぶくらい、星原くんに人間味を感じた。
それから、お昼に引き続き、すこし遅めのおやつを兼ねてカフェとしても営業しているケーキ屋Noelに向かったけれど、カスタードプリンはやっぱり今日も売り切れだった。
「いつになったら食べれるんだろう…」と、ガトーショコラを食べながらぼやくと、「ブームはいつか去るものだから。その頃にまた来よう」と星原くんは言ってくれた。
甘いものが好きだという星原くんはチョコレートココアとミルクレープを頼んでいて、普段はミステリアスな彼が甘党だという事実を実際に目の当たりにすると、想像以上にかわいくて頬が緩んだ。



