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「うわ、すっかり夜になっちゃったね」
スポッチャを出たとき、外はすっかり陽が落ちていて夜になっていた。「ちょっと寒いかも」と呟いた星原くんが身震いをする。
そんな様子を見ながら、わたしはぼんやりと 先ほどまでの時間を思い返していた。
星原くんの家を出たのはたしか14時を少し過ぎた頃だったと思う。
ポケットにしまい込んだ〈芽吹と星原のやりたいことリスト〉に基づいて、わたしたちは小さな旅に出た。
まずはじめに、クリーニング屋に行っていちごみるくに塗れた制服を預けた。日曜日の午前中に仕上がるとのことで、月曜日には綺麗になった制服を着れると思うと安心した。
「なにからしようか?」と星原くんに問われた時、お昼を食べていなかったわたしのお腹が、タイミングよくぐぅう~と鳴った。
リストに〈ラーメンがたべたい〉とあったので、遅めのお昼ご飯はすぐにラーメンに決定した。
地図アプリで検索してみつけた、クリーニング屋さんから徒歩10分のところにラーメン屋さん。
お店のいちばん人気だという味噌ラーメンを、ふたりで堪能した。
月に1回食べればよい方だろうと、ラーメンへの関心はその程度だったはずなのに、星原くんとカウンターに並んで食べたその味噌ラーメンが生きてきた中で一番おいしいと、そう思った。



