今日は、6月には珍しい、からっと晴れた日だ。空気が澄んでいる。
「まずはクリーニングだね」
「うん」
星原くんの家は、家族と一緒に住んでいる形跡がひとつもなかった。
平日の午後なので、両親は仕事、お姉さんは学校という可能性も考えたけれど、なんとなく直感で、彼はここに一人で暮らしているのではないかと思ってしまったのだ。
星原くんのなかに踏み込むには、わたしにはまだ時間が足りていない。
1日そこらで仲良くなった人間に家庭環境のことを話したがる人はそう多くないだろう。…わたしは別だけれど。
星原くんはわたしのことはたくさん知っているのに、わたしは星原くんのことを何も知らない。
それが、少しだけ悲しかった。



