このせかいに在るがまま






キッチンからこちらに向かってきた星原くんの方を向いてそう言う。


深い意味などない。ただ本当に、星原くんとこの少女は似ていると、そう思ったゆえの言葉だった。



「…似てる?おれと姉ちゃんが?」



やはりこの少女がお姉さんらしい。

「うん、似てる」と思ったままに事実を述べると、星原くんは驚いているのか、何度か瞬きを繰り返していた。




「姉ちゃんは親のどっちにもあんまり似てないって、いつも親戚に言われてたから。…おれは母親似らしいけど」

「…そうなの?」

「でも、うん。腹違いとかでもないし、ちゃんと同じ血が流れてる。芽吹さんすごいね」



変なことを言ってしまったのかと 驚く星原くんを見て不安になってしまっていたから、タブーな部分に触れてしまったわけではないと知り安心する。



しかしながら、冷静に考えてみれば変な話だ。

凄いねってなんだ。実際に血のつながった兄弟を似てると思うことのなにがすごいのか、わたしにはよくわからなかった。