「……なんか、これだんだん"今日やりたいこと"ってより"夢"だね」
「まあいんじゃない?結構楽しかったし」
「……ふ、うん。物騒だけど、」
「まあ、でも、楽しかったし」
数十分後。テーブルの上に乗る1枚の紙切れは、星原くんの綺麗な文字で埋め尽くされていた。
ふたり分とはいえ、ざっと15個はあがっただろうか。
「おれ、今ほんと楽しいかも」
文字を確かめるようになぞった星原くんが笑う。
楽しかったと、彼は3度言った。
このリストを作っていた時も、星原くんは学校にいる時よりもずっと柔らかな雰囲気を纏っていた。
楽しかった。わたしも、星原くんと一緒にやりたいことを考えるのが楽しかった。



