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「てん、…せ、」

「姉ちゃん…っうん、おれだよ、天晴だよ…っ」





ごめんね、ごめんね。こんなに長い間、私を見捨てないでいてくれたんだね。



視界がにじむ。あたたかい雫が頬を伝った。握りしめられた手から、天晴の力を感じる。私は生きている。どうやら助かったらしい。


また、世界に降り立ってしまった。




姉ちゃん、姉ちゃん、と何度も呼びながら天晴が泣いている。その少し後ろで、控えめに涙をこらえている女の子。



透明な声の、あの子かな。天晴の彼女だろうか。わからないから、あとでたくさん聞かせてもらおう。





「…ただいま、…ありがとう」





私がこのせかいを生きる意味を、今度こそ、見つけられたらいいな。