趣味は夜の小学校に忍び込んで星を見ること。
これって、もしかしなくてもバレたら犯罪だ。
もしものときは、天晴は何も悪くないって証言しないとお母さんに怒られる。きっとばあちゃんも責められちゃうから、全部私が背負う覚悟だ。
学校に来ればいじめられて、痛い思いをして。そうしているうちに、私の痛覚は鈍ってきた。悪いところに当たらなければあんまり痛くない。同時に、お風呂場で自分の身体を見て、覚えのないあざがあることが増えた。
「…は、はは……」
「何笑ってんの?キショいんだけど」
また蹴られた。
あぁ、なんか変な話だなぁ。
こんなに最悪な状況に囲まれているのに、私、なんで生きてるんだろう。
ふと視界に入った、窓から見える強い雨。
今日は星なんか絶対見えないだろうな。
――雨夜の星は、めったに見られないもののたとえ
雨夜の星。
今日、星が見れたら、私の人生にもすこし光が見えるかな。



