そんなことは言われなくても分かっている。


私がブスでバカで取り柄のない不良品だから、お父さんもお母さんも私を必要としてくれない。後に生まれた天晴は、顔も整っていたし頭も良かったし、手先も器用で、なんでも1番を取れる逸材だった。



星原 天晴。彼だけのために作られたみたいな綺麗な名前すらも羨ましかった。


私が好きな、小学校の屋上から見上げる星も、大きな空に広がっている。



私は海歩。海は歩けないし、海を怖いっていう人もたくさんいる。人の命を奪っちゃうこともある。きっとだれも、怖くて海は歩きたくない。



天晴はいいな。空っていいなぁ。



私は自分のことで自慢できることがひとつもない。


両親のどちらにもあまり似ていない、家族の中で私だけが一重だった。鼻は低いし、おでこは狭い。唇はリップを塗らないと血色がない。

だけどあんまり発色の良いものをつけるとクラスの奴らに文句を言われる。ストレスでニキビが増えた。食欲がなくなって体重が減り、顔色はあまりよくなかった。