身体が鉛のように重い。視界瞼の裏が白くぼやけている。



今日の天気は晴れなのかな。目が開かないけれど、明るいからきっとそうなのだろう。今の季節は春かな、それとも冬?雪が降る朝は綺麗で眩しいから、可能性はあるかな。




私が眠るようになってから、どれほど季節が廻ったのだろう。



遠くに声が聞こえる。天晴の声だと思う。最後に聞いた時より低くなったような気もする。



それともうひとつ…これは、私が知らない女の子の声だろうか。優しくて温かい、透明な声だ。



あなた、どんな顔をしているの。見たい、見せて。目が思うように開かないの、言うこときかないの。



天晴ごめんね、あの日の私を怒ってほしいの。

あのね、天晴、




「……、姉ちゃん…?姉ちゃんっ!?」

「なっ、ナースコール!先生、よぶっ」

「姉ちゃん、姉ちゃんわかる?俺のこと…っ、姉ちゃん…!」




ながい夢を見ていた。

遠い遠い、懐かしい過去の記憶だった。



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