休学を経て、おれは冬休み明けから学校に復帰し、3ヶ月弱 再びあの教室で時間を過ごした。
彼女たちと一緒に進級することは出来なかったものの、彼女は学年が変わっても今でもおれとの時間を大事にしてくれている。
姉ちゃんの病院にもこうして一緒に足を運んでくれるようになり、前よりもずっと深い仲に慣れたように感じる。
彼女と出会えていなかったら、おれは今頃この世にはいなかったかもしれない。雨雲に隠れた星に絶望して、流されるままに飛び降りていたかもしれない。
「空、綺麗だね」
「星が良く見えそう」
「だねー」
そんな会話に、自然と笑みが零れる。
なぁ、姉ちゃん。
姉ちゃんが昔教えてくれた星を気に入ってくれる人がいたんだ。『ここが、世界を一番近くに感じられる気がするの』って笑ってくれる。
あの日、姉ちゃんがおれに教えてくれたから 今があるんだと思う。
「透和子」
「ん」
「今日、星見に行こっか」
大嫌いなせかいにある、宝物みたいな星。
姉ちゃんが夢から覚めたら、いつか3人で見に行こう。



