半年休学していたことでおれは留年を免れなくなり、今年 もう一度2年生をやることになった。


両親はもともとそのこともふまえた上で、『体調を崩して休学していたけど勉強をしていた』事実があるなら問題ないと言って休学を認めてくれていた。



どこまでも自分たちに不利益がないように必死で、今思い返しても笑えてしまう。


そんな両親を理解しようとすることはやめた。おれがこれまで生きてきた人生をもって、無駄なことだと悟ったからだ。




子供は親を選べない。



姉ちゃんが中学で虐められていた時、両親はなにも気づかない振りをしていた。

転んだだけじゃできないような傷を作って帰ってきた時も、汚れた制服で帰ってきた時も、部屋で泣いていた時も、両親は姉ちゃんになんの声も書けなかった。



姉ちゃんが入院して、おれが姉ちゃんと同じ高校を受けると決めた時、両親は酷く反対した。

姉ちゃんがボロボロになって帰ってきても何も言わなかったくせに、おれの人生には次々口出ししてくる。




才能で人を選び、平等に人を愛せない。

そんな両親の好きなところなんか、正直ひとつもなかった。