「……意味なんかなくていいよ」
「……え?」
「エゴでいいんじゃないかな。クソみたいな世界なんだから、クソみたいな理由で生きてたって誰も文句なんか言わない。もし居たとしても、ばあか死ねよって思っていいんだよ。どんなに物騒なことでも、思うことは自由だから」
生きている理由を必死に探している。
星原くんが思うまま、好きに生きていられる世界があったらよかったのに。わたしが、そんなせかいを創ることができたらよかったのに。
けれど そんなものはただの夢物語に過ぎない。
星原くんは一生この後悔を背負わなければならない。わたしじゃ救えない涙がある。
いつか海歩さんが目を覚まして、これまでの人生や本音を彼女の言葉で説明してくれるまで、きっと星原くんはこの後悔からは逃げられない。
───ならば、抱えて生きるしか選択肢はないじゃないか。



