そんなことをおもいながらふたりの会話を軽く流し、わたしは 今日も飽きずに机の中に放り込まれていたゴミを整理する。




授業で配られたプリントの裏面に悪口がたくさん書かれてあって、ぐしゃぐしゃに丸められたそれらがいくつも詰め込まれている。

こんなふうに手間をかけてまでわたしみたいなつまらない人間をいじめることの何が楽しいのだろう。


少し離れた席から、クスクスとわたしをあざ笑う声が聞こえたけれど、特に気にすることなく聞こえないふりをした。




今日、学校について下駄箱をあけると、上履きこそ存在していたもののそれはびしょ濡れになっていた。履いたら一発で靴下が意味をなくしてしまう。


1か月も経てばこの程度のトラブルには慣れてきてしまうもので、わたしは事務室に行ってスリッパを借りたのだった。



高校2年生の6月。梅雨の時期になり、じめじめと湿度が上がるこの時期はすこし肌寒い。



安物のスリッパを突き抜ける冷たい空気にため息がでた。