お参りをした後、久しぶりの下駄のせいで少し足が痛かったこともあり、境内にある古ぼけたベンチに座って休憩することにした。
「そういえば夏怜ちゃん、ネックレス付けてるんだね」
隣に座ったハルさんが、思い出したように尋ねてきた。
何のことかと思ったが、ここに来るときに付けていたハルさんから贈られたネックレスを、着物を着た今も付けていることを言っているのだと気が付く。
「高価な物だし、手元にないと不安で。着物とあまり合わないのはわかってるんですけど、中に隠しておけば見えないしいいかなと思いまして」
「どちらかというと洋風なデザインだしね。着物にそういうアクセサリーを付けたらだめとかいう決まりってあるの?」
「フォーマルな場面では避けるべきですね。でもそれ以外は自由なので、和風なピアスとかを合わせたりしてる人はよくいますよ。着物と同じ生地で作った花の飾りとか」
「和風のピアスか……なるほど」
ハルさんは考え込むように腕を組む。
「それ、ジュエリーに応用できるかな?」
「どういうことですか?」
「着物を自由に着こなすなら、自分なりの色を出していくことが楽しいはず。それなら、ジュエリーが好きな人は着物に合わせられる商品があっても良いのかなって」
「なるほど、和風ジュエリーってことですね」
確かにそれは……欲しいかもしれない。
着物だけでなくて普段使いもできるものだと、色々な場面で使えるのではないだろうか。
「和風モチーフ、例えば桜とかは他のブランドで見たことあるけど、うちでは和風モチーフは扱ったことないんだよね」
「桜……。椿とかもおしゃれかも」
「やっぱり花が良いかな。でも花のモチーフは今までにいくつかあるし、差別化を図るのが難しいかな」



