「お前がレウをたぶらかしたのか…!!」
彼はそう言う。
たぶらかす?
僕は何もしていない。
逆にされたのは僕の方だ。
…とはいうものの勘違いをさせてしまっているのは僕のせいなので黙っておく。
「違うんだよリオン兄さん!!」
「何が違う?お前が人間に心を許すわけないだろ?」
「僕が勘違いして、その子を殺そうとしちゃったから傷を治してるの!下手したら傷が…!」
ズキッ…
あぁ、手遅れだ。
お腹の方から痛みがズキズキと感じる。
服が赤色に染まる。
…安静にしてればよかったなぁ。
「…服が、赤く…?…血の匂い…チッ、レウ!」
「!!…退いてリオン兄さん」
遠のいていく意識のなか、
リオン…と呼ばれた狼がずっと手を握っていた、
そんな気がした。
チリン…。
深い眠りから覚めたようにゆっくり目を開ける。
僕はどのくらい眠っていたのだろう。
かなり外は暗くなっている。
えっと、さっきいた狼の…リオンだ。
彼が隣の椅子に座って眠っている。
つきっきりで看病してくれたのだろうか。
もしくは僕の治療が大変で、
終わった後安心して眠り込んだ、とか。
大丈夫かな、と思って彼に手を伸ばす。
ぱちっと彼が目を覚ます。
さっきとは違う優しい目。
するとまた彼は僕に掴みかかってくる。
けれど凄く優しい力。
「怪我は、大丈夫か…?」
耳と尻尾がしゅん、と垂れている。
相当心配だったのだろうか。
彼はそう言う。
たぶらかす?
僕は何もしていない。
逆にされたのは僕の方だ。
…とはいうものの勘違いをさせてしまっているのは僕のせいなので黙っておく。
「違うんだよリオン兄さん!!」
「何が違う?お前が人間に心を許すわけないだろ?」
「僕が勘違いして、その子を殺そうとしちゃったから傷を治してるの!下手したら傷が…!」
ズキッ…
あぁ、手遅れだ。
お腹の方から痛みがズキズキと感じる。
服が赤色に染まる。
…安静にしてればよかったなぁ。
「…服が、赤く…?…血の匂い…チッ、レウ!」
「!!…退いてリオン兄さん」
遠のいていく意識のなか、
リオン…と呼ばれた狼がずっと手を握っていた、
そんな気がした。
チリン…。
深い眠りから覚めたようにゆっくり目を開ける。
僕はどのくらい眠っていたのだろう。
かなり外は暗くなっている。
えっと、さっきいた狼の…リオンだ。
彼が隣の椅子に座って眠っている。
つきっきりで看病してくれたのだろうか。
もしくは僕の治療が大変で、
終わった後安心して眠り込んだ、とか。
大丈夫かな、と思って彼に手を伸ばす。
ぱちっと彼が目を覚ます。
さっきとは違う優しい目。
するとまた彼は僕に掴みかかってくる。
けれど凄く優しい力。
「怪我は、大丈夫か…?」
耳と尻尾がしゅん、と垂れている。
相当心配だったのだろうか。


