青薔薇の至愛





「ゆうちゃーん……?なぁに、あれ」


ゴゴゴと今にも雷が落ちてしまいそうな穏やじゃない空気に「ひぇ」と怯えていると、朱ちゃんが私を膝からおろして、メイド服を手に取った。



「……まさかこれ着るつもりか?」


「ぶ、文化祭で……その、仕方なくだよ?」


「スカート短すぎだろ」


「でもでも、男女メイド喫茶で……男子もその長さだよ?」


「だから雪の奴言わなかったのか。」



朱ちゃんの不機嫌オーラがひしひしと伝わってきて、ベッドから動けないでいると、胸に服を押し当てられた。



「優が決めたことじゃないって分かってはいても、朱ちゃん超不機嫌なの。
 そんな時メイドさんならどうする?」


「……??」


「分かってない顔だな。
 着て、俺に見せろよ」


「あ、朱ちゃんに?!」


「当たり前だろ。まだ皆に見せてないだろうな?」


こくこくと頷くと、朱ちゃんは目に光を宿さないまま、黒い笑みを浮かべる。



「恋人の俺に先に見せろよ、メイドちゃん」