やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「まーちゃん」

 優子さんが数秒の間を置き、言った。

「もっと自信を持っていいのよ」
「はい?」
「まーちゃん、自分に自信がないから新村くんを諦めようとしているんでしょ? それなら心配しなくていいわ。だって、まーちゃんは私が太鼓判を押せるほど可愛いもの。それに新村くんだってまーちゃんにぞっこんよ」
「あ、いや、そうではなくて……」

 言いかけた私を優子さんは遮った。

「大丈夫、私がついているんだからどーんと構えていなさい。何しろ私はブレーキの壊れたダンプカーなキューピットなんだから。まーちゃんの恋もばっちり成就させてあ・げ・る」
「……」

 あぁ、これは駄目だ。

 私は鼻息を荒くして決意を新たにする優子さんを見ながら胸の中で嘆息した。

 この人、全然わかってない。

 ブレーキどころかアクセルもハンドルも壊れまくってるよ。