やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「それで? 昨日はどうだったの?」

 翌日。

 出社してすぐに優子さんに捕まった私はそのまま空いた会議室に連れ込まれていた。ドアは内側から施錠されており外からの邪魔が入らないようになっている。

 なぜか壁ドンされている状態で私は優子さんに見つめられていた。女同士だけど綺麗な容姿の優子さんが相手だと自然に心拍数が上がってしまう。半ば目眩を覚えかけた私に優子さんが妖艶な笑みを向けた。

「何もないってことはないわよね?」
「あ、えと、その」

 間近から漂う甘い香水の匂いがさらに私をくらくらさせる。これ私が男だったらどうなっていたんだろうと心の隅で思いながら彼女から天井の照明へと視線を逸らした。