やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「週末が駄目なら終業後でもいいんだ。俺のために時間を割いてくれないかな。大野さんが俺の女関係を知ってるのは承知してるよ。それでもさ、俺は大野さんと一緒にいたいんだ」
「……」

 わぁ、何だろう。

 これ、告白されているみたい。

 そう思うと自然に心拍音が跳ねた。

 とくんとくんと打ち鳴らす胸の鼓動に私は狼狽えてしまい新村くんの顔が見れなくなる。そんな私の動揺を気取られまいと目の前のチーズハンバーグに集中した。

「俺じゃ、駄目かな?」
「新村くんて、みんなにそう言ってるんでしょ?」

 媚びるような彼の声に抗するべく私は言葉に刺を含ませる。「それは」と言いかけて彼は口をつぐんだ。