やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「あ、一応言っておくけど三個しかもらってないよ。そんなクラスの女子全員とかマンガみたいなことないから」
「そ、そうだよね」

 心を読まれて私は苦く笑む。それでも三個かぁ、と無言で感嘆した。

 義理じゃなくて全部本命かなぁ。

 うん、本命なんだろうな。

 料理が運ばれてそこでその話はお終いになる。優子さんが品目をチョイスしていたそうでメインはチーズハンバーグだった。かかっているデミグラスソースの匂いが何とも美味しそうだ。

「思ったんだけどさ」

 新村くんがやや大ぶりにハンバーグを切り分けながら言った。

「大野さんて鶏肉が好物だったんだよね」
「う、うん」