やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 たぶん、三浦部長がいなければ私も彼の虜になっていただろう。

 ふぅ、危ない危ない。

「に、新村くんはどうなの? 子供の頃から女の子にモテたの?」
「え、俺ってそんなふうに見える?」

 ごまかすように尋ねると満更でもないといったふうに彼は口角を上げた。この手の問いには慣れているという感じだ。

 うむむ、このスマイル王子め。

「別に普通のガキだったと思うよ。バレンタインだってクラスの子からしかもらってないし」
「……」

 やっぱりもらってるんだ。

 新村くんのことだから女子全員とはいかないまでも大半からもらっていたんだろうなぁ。