やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 小さくて痩せっぽちな私。

 いつも誰かの陰に隠れていて自分から目立とうとしなかった。

 一体、いつ頃から私は一人でもやっていけるようになったのだろう。

「……」
「大野さん?」

 答えずにいると不安そうな新村くんの声が意識を小突いてきた。

「ごめん、ちょっと調子に乗っちゃったかな? 大野さんって可愛いからきっと子供の頃も可愛かったんだろうなって思って」
「そ、そんなことないよ」

 かぁっと顔が赤くなるのを自覚した。これはワインを飲んだからだと自分に言い訳する。

「いやいや、そんなことあるから。大野さんは可愛いよ」

 新村くんが照れる私を楽しそうに見つめてくる。その爽やかな笑顔はうっかりすると心を奪われてしまいそうだ。あまりにも反則的すぎる。