やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 目を閉じて優子さんがまたうなずく。

「私、ちょっと心配してたんだよね。まーちゃんって鈍ちんだから色恋にも疎いし。このまま独り身街道まっしぐらになっちゃうんじゃないかって思ってたよ」
「……」

 優子さん。

 私、そんなに鈍くないです。

 レーザービームでも発射できそうなくらい私は優子さんを睨みつける。これ、怒っていい案件だよね。

 優子さんは動じない。

 というか自分の世界に入ってしまったのか視線を感じなくなっているようだ。

「相手は誰かな? やっぱりイケメンだよね。そうなると第一事業部の諸星くんかな? ああでも海外事業部の北川くんもあるかなぁ。そうそう、うちの新村くんも有力だよね。何しろまーちゃんと同期で仲も良いし」
「……」

 えーっと。

 三浦部長は無視ですか?

 彼もイケメンですよ。