やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「どうせなら週末がいいよね。土日のどっちなら都合つく? あ、金曜がいいならそれでもいいよ」
「えーっと」

 私はいつの間にか顔を引きつらせていた。

 以前なら大して気にせずお誘いに乗っていたかもしれない。新村くんはよく知った同期だし、美味しいものなら私も食べたい。

 でも……。

 三浦部長の姿が頭をよぎる。どこかへ出かけるというなら彼と出かけたかった。平日でも週末でも彼と一緒がいい。

 そんなふうに思った自分が恥ずかしくて、あえておどけた態度で返した。