やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 三浦部長にとって私はただの部下でしかない。

 まだまだ半人前と思われることはあっても恋愛対象として見てもらえるはずがない。私自身彼と釣り合うとは思っていなかった。

 それでも気づいてしまった自分の気持ちをうやむやにするのは嫌だ。

 だからほんのちょっとでもいいから彼に相応しい女になりたいと願った。今すぐは無理かもしれないけどいつかきっと彼の横に並べるような女になりたい……いや、なってみせる。

 小走りに駅の構内を進みながら私はぎゅっと拳を握った。