やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「あ、明日は無理ですけど明後日なら作れますよ」
「いいのか?」

 彼の表情がぱあっと明るくなったような気がした。あくまでも気がしたってだけだ。

 目眩に堪えつつ冷蔵庫の中を思い出す。

 うちの冷蔵庫は大部分をレトルトと飲み物に占領されていた。残りのスペースにあるものは……駄目、私の酒のつまみになっても三浦部長の口には相応しくない。

 うん。

 帰りにスーパーに寄らないと。

 でもって今夜は練習しよう。さすがにいきなり本番は怖いし。