やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「えっと、部長、今何て」
「いや、そこはスルーしていい」

 耳まで赤くしながら部長が返す。

 うーん、この悪癖はどうにかしたいなぁ。

 どうせ私のこと可愛いとか好きとか愛してるとかお持ち帰りしたいとか今夜は眠らせないとか結婚したいとかなんだろうからはっきりいってくれればいいのに。

 お、私ってもしかしなくても浮かれてる?

 幸せ過ぎて調子に乗ってる?

 まあいいや、別に誰かに迷惑かけてる訳でもないし。

「部長、私への好意なら隠さなくてもいいんですよ。二人っきりなんですし」
「……」

 わぁ、さらに赤くなってる。

 人間ってこんなに赤くなれるんだ。