やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 くるくる。

 くるくる。

 三浦部長がフォークを回し続けている。

 麺はフォークに巻きつくだけ巻きついて後は空回りしていた。

「仕事帰りに誰かと会ったりしないのか」
「そんな相手がいたら部長とパスタなんて食べませんよ」

 答えて私はフォークを口に運ぶ。もぐもぐと咀嚼して飲み込むと言葉を接いだ。

「部長こそ、プレゼントの相手と誕生日に会うんですよね?」

 自然と彼が思い人にプレゼントを渡す姿が頭に浮かんだ。

 ただし、相手の顔はわからないので適当な女優で代用しているが。

「もうちょっとその人のこと教えてくださいよ」