やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 わぁ、

 来ましたよ。

 とうとう来ましたよこの時が。

 これ、夢じゃないよね?

 どこかに隠しカメラとかあって「ドッキリでした」なんてことないよね?

 もしそんなのだったら泣くよ。

 わんわん泣くよ。

 三浦部長が優しく私の腕を引いた。突然のことに私は逆らうこともできずに彼の胸へと収まる。男の人の匂いがして、それが嫌いではない匂いで私は安心した。

 できればずっとこうしていたい。

 三浦部長の甘い声が降ってくる。

「まゆか、君が好きだ。僕と付き合ってくれ」

 それは確かに甘い声で。

 私は少しだけ身を離して彼を見つめた。