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お昼に経理課に行ってみると中森さんは少し回復していた。
「ここじゃ何だから場所を変えない?」
中森さんの提案に反対する理由もなく私は先を歩きだした彼女について行く。
私たちは会社からほど近い喫茶店に場を移した。古めかしいお店だけど店内の雰囲気はいい。所々に置かれたウサギの小物が何とも可愛らしかった。店主の趣味だろうか。
中森さんは店主らしき白髪の男性と話をすると店の奥手の階段へと向かった。私も白髪の男性に会釈しつつ中森さんの後を追う。
階段の先はいくつかの小部屋のある廊下だった。中森さんは迷うことなく一番奥の小部屋へと進んだ。灰色のウサギのプレートのついたドアを開けて中に入る。

