やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 私はやむなくメニューを眺めた。タルトやケーキなどのスイーツの他にオムライスやハンバーグ、パスタといった品目が数種類ずつ載っている。

 何気なく隣のテーブルに目をやると大学生くらいの女の子二人がいた。一人はデミグラスソースのハンバーグ、もう一人はナスとベーコンのトマトソースパスタを食べている。どちらも美味しそうだが昨夜の夕食はコンビニのハンバーグ弁当だ。

 ナスとベーコンのトマトソースパスタにしようかな。

 上目遣いに三浦部長の顔を見る。

 パスタなら二日連続にならないしスイーツでもないから文句はないよね、と自分を納得させて告げた。

「私はナスとベーコンのトマトソースパスタにします」
「それで足りるのか? 遠慮しなくてもいいんだぞ」
「……」

 えーと。

 私、そんなに食べる女に見えるのかな?