やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「それで? どうしてその長谷部さんが辞めたんですか」
「えっとね」
 優子さんはスーツのポケットからスマホを取り出した。
 ピッピッと指で操作してから画面を私に向ける。

「たぶんこれが原因だと思う」

 それは動画でダークスーツを着た体格のいい男が制服姿の少女とラブホテルに入る様子を映していた。少女の見た目は高校生より中学生にも思える。あくまでも見た目だけど。

「わぁ」
「ね? これ、やばいよね?」

 大問題である。

 軽い目眩を覚えつつ、私は優子さんに確認した。

「この男の人が長谷部さんですか?」
「そだよ」
「……」

 何とまあ脇の甘い。

 じゃなくて。