やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない


 *

 あれこれと悩みつつ第二事業部に入ってみると三浦部長の姿はなかった。

 ふう、とりあえず一安心。

 私は自分のデスクの椅子に座りほっと息をつく。気が緩んだためかお腹がきゅるると鳴った。

 あ、やばっ。

 コンビニで朝ご飯買うの忘れた。

 一度意識すると空腹がどんどん主張してくる。私はひとまずジュースで糖分補給しようと腰を上げた。

 ほぼ同じタイミングで聞き慣れた声が駆け足と共に第二事業部に飛び込んで来る。

「たっちゃん聞いて聞いて!」

 優子さんだ。

 彼女は三浦部長がいないのを認めると私のほうへと方向転換した。