やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「……」

 いや駄目か。

 異世界に行ったら三浦部長と会えなくなるじゃん。

 そもそも空間異動なんてできないし。

 ……って、私ちょい混乱してるよね?

 恥ずかしさでどうにかなっちゃってるよね?

 私がスマホを持ったまま床をごろごろ転がっていると部長が躊躇いがちに告げた。

「ぼ、僕も君の傍にいたい。ずっと一緒にいたい」
「……!」

 一段高く胸の鼓動が鳴り、ピタリと私は転がるのをやめる。自然と向いた視線は天井に取り付けられた照明に当たった。淡い光を放っているそれは寒色系のはずなのに私の心を暖かくさせてくれた。