やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「たぶんな。まだ彼女に連絡がとれてないんだ。君からも連絡してもらえるとありがたい」
「はい、そうします」

 これでヨツビシの件は何とかなった。

 私はほっとして胸を撫で下ろしかける。

 ふとあることを思い、その手をピタリと止めた。

「部長の件はどうなったんですか。ヨツビシが何とかなったのなら部長の人事もどうにかできますよね」
「僕の件? それはさすがにすぐって訳にはいかないな」
「そんな」
「おいおい、話し合いをしたのは昨夜だぞ。それに僕は相手を殴っている。仮にクビを回避したとしても全て帳消しってことにはできない。何らかの処罰があって然るべきなんだ」
「……」

 え、それじゃ部長だけが処分されるってこと?