やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 え?

 私は驚きのあまりスマホを落としそうになる。

 頭には一人の女性の姿があった。茶色い髪を細かなウェーブにしたスタイル抜群の可愛い子だ。目つきの悪さがちょいアレだけどそんなものは彼女の魅力の前では些細なことである。

 中森さん。

 うわっ、マジで怖っ。

 レディースも極道の女も目デューサもこれに比べたら大して怖くない。

 中森さんの真の怖さはお友だちネットワークを使えることだ。

 ネットの情報が武器だなんていかにも現代っ子ではないか。

「こ、これ中森さんの仕業ですよね?」

 私は念のために確認する。

 うむ、と短く返事された。